プロジェクト概要

| プロジェクト名 | ファミール産院君津 |
| 所在地 | 千葉県君津市 |
| 施工年 | 2013年 |
| 用途・種別 | 病院 |
| 対応内容 | 外装デザイン・インテリアデザイン |
| URL | https://famil-s-kimitsu.com/ |
院長が抱えていた想い
閉ざされた産院から、地域に開かれた産院へ
院長の杉本雅樹先生は、千葉県館山でファミール産院を開業しています。その館山での成功をモデルに、産院の少ない君津市から要請され、2院目をオープンさせることになりました。
杉本先生からのリクエストは明確でした。今までの閉ざされたイメージの産院から、もっと地域に開かれたオープンな雰囲気の産院にしたい。また、産科を目指す医師が減っている中で、新人医師の教育の場にもしたい。
君津市の協力のもとで土地が決まり、新興住宅地の中に産院をつくることに。地域の人たちと共存しながら、新しいスタイルと産科として必要な動線をどう両立させるかが課題でした。
ドムスデザインのアプローチ : 図面を引く前にやったこと
ドムスデザインでは、設計図面を引き始める前に徹底的な調査と対話を行います。
産院を地域に開く

閉ざされた産院を地域に開くにはどうすればいいか。ドムスデザインが構想したのは、院内に「メインストリート」をつくることでした。この通りを軸にして、産院の機能と地域の交流スペースを両側に配置する。産院でありながら、地域の人が自然と足を運べる場所にする発想です。
安全な動線の両立

産院には安全な動線設計が不可欠です。メインストリートを挟んで、一方には診察室・内診室・妊婦健診室・バックヤードの診察エリアを、もう一方にはキッズコーナーやスタジオなどの交流エリアを配置。患者さんの動線とスタッフの動線が適切に分離できるよう計画しました。
特別な場所の世界観

新興住宅地の中に建つ産院を、地域のシンボルとなる特別な存在にするために選んだのがヨーロピアンクラシックの世界観です。白い外観にアイアンのバルコニー装飾、アーチ型の廊下、レリーフの壁面装飾。出産という人生の特別な瞬間にふさわしい品格と温かみを、建物そのものに宿す方針を固めました。
このように、ドムスデザインでは、デザインの前に「産院と地域の関係」「安全な動線設計」「建物の世界観」を読み解きます。
イタリアで学んだデザイン哲学「いきなり線を引かない」を実践し、本質的な価値を設計に落とし込みます。
コンセプト 「地域に開かれた、新しいスタイルの産院」

産院は「出産する場所」であり、基本的には閉じた空間です。患者さんと医療スタッフだけの世界。地域との接点はほとんどありません。
しかし、もし産院の中に「メインストリート」があったら。その通り沿いにキッズコーナーがあり、地域の人が使えるスタジオが併設されていたら。マタニティスクールやヨガ教室、子育て指導が行われる場所が、産院の中にあったら。産院は「閉じた医療施設」から「地域の人が集まる場所」に変わります。
「メインストリートの一角にはキッズコーナー、向かいには地域のスタジオ。産院が、地域のコミュニティになる」
ヨーロピアンクラシックの外観が新興住宅地のシンボルになり、院内のメインストリートが産院と地域をつなぐ。出産前後のケアだけでなく、周産期の総合クリニックとして地域と共に歩む。それがファミール産院君津の世界観です。
デザインの特徴
1.新興住宅地のシンボルとなるヨーロピアンクラシックの外観
白を基調とした建物にアイアンのバルコニー装飾。新興住宅地の中にヨーロッパの邸宅のような佇まいが現れ、地域のランドマークとなっています。アイアンワークの門扉が、来院者を特別な場所へ迎え入れます。
2.産院と地域をつなぐメインストリート
院内を貫く「メインストリート」が、この産院の核心です。通り沿いにキッズコーナーを設け、子どもが遊べる場所を確保。メインストリートを挟んで地域の人が使えるスタジオを併設し、マタニティスクール、ヨガ教室、子育て指導を実施しています。診察エリアは反対側に配置し、患者さんとスタッフの動線を分離しました。
3. アーチとレリーフが彩る院内空間
アーチ型の通路、壁面のレリーフ装飾、柔らかなイエローとベージュの色彩。ホテルのような個室にはダークウッドの家具とエレガントなカーテンを配し、出産という特別な時間にふさわしいプライベート空間を実現しています。
4. もんもんcafeとキッズコーナー
院内カフェ「もんもんcafe」では、入院中のお母さんや来院者がくつろぎの時間を過ごせます。キッズコーナーは自然をテーマにした明るい空間で、上のお子さんを連れて来院するお母さんも安心。産院に「くつろぎ」と「楽しさ」の場所を設けています。
結果・成果
地域に開かれた産院が、君津市に誕生した
| 地域との共存 | メインストリートとスタジオで産院が地域のコミュニティに |
| メディア露出 | ワールドビジネスサテライト(テレビ東京)でファミール産院館山が紹介 |
| 将来展望 | 「産後ケアハウスの増設を計画し、周産期の総合クリニックを目指す |
| 動線設計 | 患者さんとスタッフの動線を適切に分離した安全な空間設計 |
君津市からの要請に応え、新興住宅地の中に地域に開かれた産院が誕生しました。メインストリートが産院と地域をつなぎ、ヨーロピアンクラシックの外観が地域のシンボルに。将来的には産後ケアハウスを増設し、周産期の総合クリニックとして地域と共に歩んでいきます。
