プロジェクト概要

| プロジェクト名 | 金太郎ホーム 東駒形 |
| 所在地 | 東京都台東区東駒形 |
| 施工年 | 2019年 |
| 用途・種別 | マンション |
| 対応内容 | デザイン |
お客様が抱えていた悩み
設計されただけの図面を、もっと魅力的なデザインにしたい
通常の設計業務では、確認申請業務に追われ、法的な要件と安全性は十分に検討されます。しかし、その建物が「魅力的かどうか」が検討されないまま完成まで進んでしまうケースが少なくありません。
このプロジェクトでドムスデザインに求められたのは、建物をただ安全なだけでなく「いかにそこに住みたいと思ってもらえるか」を、デザインという手法で実現させること。すでに設計された図面に対して、デザインの力で価値を付加するという挑戦でした。
ドムスデザインのアプローチ:図面を引く前にやったこと
ドムスデザインでは、デザインに着手する前に徹底的なリサーチと構想を行います。
このプロジェクトでも、すでにある図面にいきなり手を加えるのではなく、まず「この土地にふさわしいデザインとは何か」を考えることから始めました。
土地の物語を読み解く

経堂エリアのマンション市場を徹底的にリサーチ。
周辺の賃貸マンションの家賃帯、設備水準、入居者属性を分析し、「どこも同じように見える」という競合物件の弱点を明確にしました。
効率優先で建蔽率・容積率いっぱいに建てられた結果、特徴のないマンションが乱立している実態を確認。ここに差別化の余地があると判断しました。
住みたいと思わせる要素

法的要件と安全性を満たした設計図面はすでに存在していました。しかし、そこには「この建物に住みたい」と思わせる要素が欠けていました。ドムスデザインは、図面の構造を活かしながら、外観のファサード、バルコニー、アプローチといった「建物の顔」となる部分にデザインの力を集中させる戦略を立てました。
近代と江戸の融合

単なる和風デザインではなく、近代建築の中に江戸文化のエッセンスを溶け込ませるという方向性を構想。東駒形という地名に宿る江戸の記憶を、現代の建築言語で表現するコンセプトの核をつくり上げました。
このように、デザインの前に「土地の文脈」「既存図面の可能性」「建築と文化の接点」を徹底的に読み解きます。
イタリアで学んだデザイン哲学「いきなり線を引かない」を実践し、本質的な価値を設計に落とし込みます。
コンセプト「近代建築と江戸文化の融合」

江戸後期、葛飾北斎が生涯を送った墨田区。その歴史的な土壌を持つ東駒形の地に、近代建築と江戸文化の要素を込める、それがこのプロジェクトのコンセプトです。
「東駒形の地名に江戸の文化を残しながら、どこか新しい風を吹かせる」
マンションという現代の建築タイプに、江戸の伝統的な意匠と色彩を融合させることで、この土地でしか成立しない唯一無二のデザインを目指しました。
デザインの特徴
1. マンションの顔「麻の葉模様のファサード」
江戸の伝統的な幾何学模様である「麻の葉模様」をバルコニーのデザインに採用。麻の葉をあしらったモチーフが、上へ上へと上がるようなイメージで建物の正面を彩ります。硬質な建築物が、まるで柔らかな着物の素材に変化するかのように、江戸の文化が現代のマンションに息づいています。を与えます。
2. アクセントには日本の伝統色「なのはな色」を
マンションに日本の伝統色を取り入れました。菜の花が咲き乱れる黄色=「なのはな色」をアクセントカラーに、墨色を基調とした全体の中に浮かぶような「幸せの黄色」を配置。外観だけでなく、室内のインテリアにも「なのはな色」を用い、建物全体で統一されたカラーコンセプトを実現しています。
3. アプローチのデザイン
建物の入口へと続くアプローチにもデザインの手を加え、道路から住戸に至るまでの動線全体に、コンセプトに基づいた世界観を反映させています。
結果・成果
町を印象づける存在に
建物の正面に麻の葉のモチーフをつけ、なのはな色をアクセントにしたファサードは、東駒形の町を印象づける存在になりました。東駒形の地名に江戸の文化を残しながら、どこか新しい風を吹かせています。
| 外観の変化 | 設計図面のみの状態から、江戸文化を纏った唯一無二のファサードへ |
| 街への貢献 | 町を印象づけるランドマーク的存在に |
| デザインの一貫性 | 外観からインテリアまで「なのはな色」で統一されたカラーコンセプト |
すでに設計された図面に対して、「麻の葉模様」と「日本の伝統色」という2つのデザイン要素を加えることで、法的・構造的な安全性はそのままに、建物の魅力を大きく引き上げた事例です。







