プロジェクト概要

| プロジェクト名 | 医療法人神甲会 隈病院 |
| 所在地 | 兵庫県神戸市 |
| 施工年 | 2024年 |
| 用途・種別 | 病院 |
| 対応内容 | 増改築インテリアデザイン |
病院が抱いていた想い
増築棟に、5つ星ホテルのようなおもてなしを
神戸の隈病院に増築棟が計画されました。新たに特別室2室を設け、既存棟も含めた各フロアの待合室やスタッフ空間のインテリアを一新するプロジェクトです。
求められたのは、5つ星ホテルのようなおもてなしを病院で体現すること。特別室はもちろん、待合室、ホール、ガーデン、スタッフ休憩コーナーに至るまで、病院のあらゆる空間に品格とホスピタリティを宿すデザインが課題でした。
ドムスデザインのアプローチ ― 図面を引く前にやったこと
「MUSEO(美術館)」というコンセプトの設定

病院に5つ星ホテルのおもてなしを宿すために、ドムスデザインが選んだコンセプトは「MUSEO」。イタリア語で美術館を意味する言葉です。白い壁を残さず、オリジナル制作のアートをインテリアに合わせてセッティングする。エレベーターホールの椅子はアートオブジェのように配する。病院そのものを美術館に見立てる構想を立てました。
フロアごとに「自然」のテーマを割り当てる

1階は「岸辺」、2階は「宇宙」、3階は「大地」、4階は「ラベンダー」、5階はエレガントな「特室ゾーン」、8階は「空と森」。各フロアに自然をモチーフにしたテーマを設定し、色彩・素材・アートで表現する計画を立てました。フロアごとの診療内容や患者さんの心理に合わせて、最適な自然の癒しを届ける設計です。
患者さんとスタッフ、両方の空間をデザインする

患者さんが過ごす待合室や特別室だけでなく、8階のスタッフ休憩コーナーにもこだわりました。吊チェア、壁面緑化、シンボルツリーを囲むベンチ、多彩なデザインの椅子。働く人が森で休んでいるような空間を構想し、スタッフの心身のリフレッシュを空間で支える方針を固めています。
ドムスデザインでは、デザインの前に「空間のコンセプト」「フロアごとの自然テーマ」「患者とスタッフ双方の体験」を読み解きます。 いきなり線を引かない。まず、病院を美術館のような空間に変える構想をつくるのです。
コンセプト 「MUSEO(美術館のような病院)」

病院の壁は白い。それが当たり前になっています。しかし白い壁は、清潔に見える一方で、冷たさや緊張感も生みます。
もし、病院のあらゆる壁にアートが飾られていたら。エレベーターホールの椅子がアートオブジェのように存在していたら。廊下を歩くたびに、美術館を巡るような気持ちになれたら。病院にいることを忘れる瞬間が生まれます。
「白い壁を残さない。病院のすべての空間に、アートと自然の癒しを届ける」
1階の岸辺、2階の宇宙、3階の大地、8階の空と森。砥部焼の陶板焼きアート、オリジナル制作の絵画、壁面緑化、オリーブの木が植えられたガーデン。MUSEOというコンセプトのもと、病院全体が一つの美術館になる。それが隈病院のインテリアデザインです。
デザインの特徴
1.5つ星ホテルのような特別室
増築棟に誕生した特別室2室。玄関を開けると前室があり、ホテルの雰囲気を出すために床のデザイン、間接照明、アートを工夫しました。ベッドヘッドの酸素吸引セットは隠れるように設計し、木目で緊張感をなくす配慮を。パウダールームは大理石柄の人造石カウンターに丸いミラーとペンダントライト。5階ラウンジはエレガントな色彩と間接照明、鏡のかたちにこだわり、特室ゾーンの入口にふさわしい空間に仕上げています。
2.フロアごとに異なる自然のテーマ
1階待合室は「岸辺」。水面の色合いと水輪を表す間接照明でリラックスできる空間に。窓辺のカウンターからは庭を眺められます。2階は「宇宙」。白とラベンダー色で清潔感を出し、放射線エリアに特徴を。3階は「大地」。土の色、樹の色、葉の色が織り合い、木漏れ日に居るような温かさを演出しました。4階の放射線治療ラウンジはラベンダー色でリラックスのコーディネート、RI室の前室は緊張感を癒すグリーンに。
3.MUSEOを体現するアートと空間演出
白い壁を残さないという方針のもと、オリジナル制作のアートをインテリアに合わせてセッティング。1階ホール前には砥部焼の山田先生作の陶板焼き(樹木と幸せの鳥のカップルがコンセプト)。エレベーターホールの椅子はアートオブジェのように配置。天井高7mの1階ホールにはモスグリーンの絨毯で自然を感じさせ、病院の歴史がわかる展示コーナーと大スクリーンも備えています。屋外には患者さんが楽しめるガーデンを設け、オリーブ、楓フラミンゴ、ラベンダー、ローズマリーを植えた癒しの庭に。
4. スタッフが「森で休む」ような休憩コーナー
8階のスタッフ休憩コーナーは「空と森」がテーマ。壁面緑化した一角に吊チェアコーナーを設け、森で休んでいるような演出を。中心にはシンボルツリーを囲むベンチで、木陰で休む体験を。多彩なデザインの椅子を用意し、好きな場所でコーヒーブレイクができます。食堂との仕切りには特別にデザインしたアイアンで、視線を交わしながらつながりのある空間をつくりました。
結果・成果
病院が、美術館になった
| MUSEOの実現 | 白い壁を残さず、オリジナルアートで病院全体を美術館に |
| 特別室の品格 | 5つ星ホテルのようなおもてなしを病院の特室で体現 |
| フロアごとの個性 | 岸辺・宇宙・大地・ラベンダー・空と森のテーマで各階をデザイン |
| スタッフ環境 | 森で休むようなスタッフ休憩コーナーで働く人も癒す |
増築棟の特別室から、1階ホールのガーデンまで。MUSEOというコンセプトのもと、病院のあらゆる空間にアートと自然の癒しが宿りました。神戸大山病院に続く、ドムスデザインの大規模病院インテリアデザインの最新事例です。





















