プロジェクト概要

| プロジェクト名 | 北大塚学生寮 |
| 所在地 | 東京都豊島区 |
| 施工年 | 2020年3月 |
| 用途・種別 | 学生寮(96室) |
| 対応内容 | 外装デザイン・インテリアデザイン |
オーナー様が抱えていた悩み
96室の学生寮を満室経営するために、デザインで何ができるか
96室の学生寮。建築設計はすでに確定している。
その後に届いたのが、ドムスデザインへのデザイン依頼でした。構造は変えられない。間取りも決まっている。その制約の中で、コンセプト・素材・カラーリングと、ほんの少しのアクセントだけで、どこまで「住みたい場所」に変身させることができるか。満室経営を実現するためのデザインが求められました。
ドムスデザインのアプローチ ― 図面を引く前にやったこと
ドムスデザインでは、設計図面を引き始める前に徹底的な調査と対話を行います。
このプロジェクトでは、好立地を確保した後も、すぐに設計には入りませんでした。「女性が賃貸において本当に必要とするものは何か」を知ることから始めました。
ニューヨーク広場という
世界観の設定

学生寮に住むのは、これから社会に出ていく若い人たち。ドムスデザインが選んだテーマは「ニューヨーク広場」です。多様な人が集まり切磋琢磨する、ファッショナブルな街。おしゃれで活気にあふれる場所で出会い、つながり、成長する。そんな学生生活への願いを込めたコンセプトを設定しました。
ローコストの外装を
「色彩だけ」で変える

外装は吹付塗装というローコスト仕上げに決まっていました。素材を変えられないなら、色の使い方で勝負する。ドムスデザインが立てた戦略は、赤・黒・グレージュのアクセントカラーをランダムに配すること。ポコポコと見えるカラーが遠くからでもワクワクする、モダンでPOPな外観を構想しました。
東棟と西棟で「選べる」
居室をつくる

96室すべてを同じデザインにするのではなく、東棟と西棟で対極の雰囲気にコーディネートする方針を立てました。入居者が好みのタイプを選べることで、「住まされる」のではなく「選んで住む」体験を生み出す設計です。
ドムスデザインでは、デザインの前に「空間の世界観」「制約の中での勝ち筋」「入居者の選択体験」を読み解きます。 いきなり線を引かない。建築設計が決まった後でも、色彩とコンセプトの力で空間の価値を変えるのです。
コンセプト 「ニューヨーク広場」

学生寮と聞いて思い浮かぶのは、画一的な部屋が並ぶ無個性な建物。「住めればいい」という前提で建てられた寮では、入居する動機が家賃だけになってしまいます。
しかし、もし学生寮そのものが「住みたい場所」になったら。建物を見た瞬間にワクワクし、エントランスに足を踏み入れた瞬間にテンションが上がり、自分の部屋に帰るのが楽しくなる。そんな寮であれば、学生は家賃ではなく「ここに住みたい」という気持ちで選んでくれます。
「多様な人が集まり、出会い、つながり、成長する。おしゃれで活気にあふれるニューヨークの広場のような学生寮」
量産クロス、塩ビタイル、塩ビシート、既製ドア。決して贅沢な素材は使っていません。色彩をしっかり選ぶだけで「住みたい部屋」に変身できる。それがこのプロジェクトの核心です。
デザインの特徴
1. ローコスト外装を色彩で「ワクワクする建物」にな外観
吹付塗装の外装に、赤・黒・グレージュのアクセントカラーをランダムに配置。ポコポコと見えるカラーが遠くからでもワクワクする、モダンでPOPな表情を生み出しました。エントランスのある北面は、縦横にアクセントカラーを入り組ませて飽きない配色に。山手線からの見上げでも上品なカラーで控えめに主張する外観です。道を通るご近所さんにも親しまれるよう、大きな窓からチラリと見える食堂はおしゃれなカフェのような空間にしています。
2. 赤いモザイクタイルが迎えるエントランス
赤いモザイクタイルとおしゃれな照明で華やかにお出迎え。天井も赤く塗り、エントランスに足を踏み入れた瞬間のインパクトを演出しています。郵便をチェックするのも楽しくなる白黒のポストもデザインのこだわりです。
3. 東棟「アーバンスタイル」× 西棟「プロバンススタイル」
東棟:アーバンスタイル 都会的で少し大人になった気分に。入居者が「ちょっと生意気」と感じるほどの仕上がりを、量産クロスと塩ビタイルだけで実現しています。
西棟:プロバンススタイル 入った瞬間に気持ちがパッと明るくなる空間。東棟とは対極の雰囲気にコーディネートし、入居者が好みで選べるようにしました。
「学生にこんないい部屋、ちょっと生意気だよなぁ」。オーナー様からそんな冗談が出るほどの仕上がりですが、使っているのはすべてローコストの素材。色彩の選び方だけで空間の価値が変わることを証明した居室デザインです。
4. 建築設計確定後のデザイン参画
建築設計が決まった後からの参画。構造も間取りも変えられない制約の中で、コンセプト・素材・カラーリングとほんの少しのアクセントだけで「住みたい場所」に変身させました。バリューアップデザインの考え方が、新築段階から活かされた事例です。
結果・成果
色彩の力で「住みたい学生寮」が誕生
通常、入れ替わりの多い春の引越しシーズンにも、ひとりの退去者も出なかったのは、賃貸経営においてほぼ奇跡と言える成果です。
| ローコストでの差別化 | 量産クロス・塩ビタイル・既製ドアのみで「住みたい部屋」を実現 |
| 選べる楽しさ | 東棟アーバン×西棟プロバンスの2タイプで入居者が選択可能 |
| オーナーの反応 | 「学生にこんないい部屋、ちょっと生意気」と驚きの声 |
| 設計確定後の参画 | 似構造を変えずに、色彩とコンセプトだけで空間の価値を向上 |
建築設計が確定した後でも、デザインの力で空間は変わる。ローコストの素材でも、色彩をしっかり選べば「住みたい場所」に変身できる。北大塚学生寮は、ドムスデザインのバリューアップデザインの力を凝縮した事例です。












