Hotel Wing International Select 熊本

プロジェクト概要

プロジェクト名Hotel Wing International Select 熊本
所在地熊本県熊本市
施工年2019年
用途・種別ホテル
対応内容グランドデザイン

ホテル事業者様が抱いていた想い

ホテル激戦区・熊本で、リピートされるホテルをつくりたい

熊本はホテル激戦区です。

この地に新たにホテルを開業するにあたり、求められたのは明確な差別化でした。ただ泊まるだけではなく、九州に来たことを楽しんでもらえるホテルにしたい。印象に残り、「また泊まりたい」とリピートにつながる存在にしたい。ビジネスホテルを差別化し、安定経営へ導くためのデザインが求められました。

ドムスデザインのアプローチ ― 図面を引く前にやったこと

物語の軸を見出す

熊本に泊まるお客様の多くは、九州を旅する途中で立ち寄ります。ドムスデザインが着目したのは、その「旅」の体験そのもの。ホテルを一つの「旅の装置」に変えてしまう発想です。エントランスが駅、フロントが切符売り場、レストランが食堂車、客室が寝台車。ホテルに滞在すること自体が、九州を電車で旅するような体験になる物語を構築しました。

「森・土・水」を抽象化

各フロアのテーマを、九州の特定の場所にするのではなく、九州のあちこちで出会う自然の要素に抽象化する方針を立てました。「森」「土」「水」。特定の観光地ではなく、自然そのものの美しさや癒しをデザインに落とし込むことで、どのフロアに泊まっても九州の自然を体感できる設計です。

各空間に「旅の場面」を

エントランス=駅、フロントロビー=切符売り場、レストラン=食堂車、エレベーターホール=車窓からの景色、客室=寝台車。ホテル内の移動がそのまま「旅の行程」になるよう、各空間に役割を割り当てる体験設計を、デザイン着手前の段階で組み立てました。

ドムスデザインでは、デザインの前に「宿泊体験の物語」「土地の自然の抽象化」「空間ごとの役割」を読み解きます。 いきなり線を引かない。まず、ホテルに泊まることが九州の旅になる仕組みをつくるのです。

コンセプト 「九州九景の旅」

ビジネスホテルに泊まって、翌朝チェックアウトする。多くの宿泊者にとって、ホテルは「寝るだけの場所」です。しかし、せっかく九州まで来たのに、ホテルの中では九州を感じられないのはもったいない。

もしホテルのエントランスが駅だったら。フロントで切符を買うようにチェックインしたら。エレベーターを上がるたびに、車窓の風景が変わるように九州の自然と出会えたら。泊まること自体が、九州を旅する時間になります。

「エントランスは駅。フロントは切符売り場。レストランは食堂車。客室は寝台車。ホテルに泊まることが、九州九景の旅になる」

森のフロア、土のフロア、水のフロア。九州の自然を味わいながら電車で旅するかのようなホテル。楽しみながら滞在していただけるエンターテインメント型コンセプトホテルが、熊本に誕生しました。

デザインの特徴

1. 旅の始まりは「駅」から

エントランスは駅をイメージ。フロントロビーは切符売り場のようにデザインし、チェックインの瞬間から「旅が始まる」演出を施しています。ホテルに一歩入った時点で、日常から九州の旅へと気持ちが切り替わる空間です。

2.森・土・水。フロアごとに変わる九州の自然

客室階に上がると、エレベーターホールが車窓からの景色に変わります。

森のフロア … 九州の深い緑をイメージした、自然に包まれる空間。
土のフロア … 大地の温もりを感じる、落ち着いたトーンの空間。
水のフロア … 清流や水源を思わせる、透明感のある空間。

エレベーターホールから客室まで、フロアごとにまったく異なる九州の自然が広がります。客室は寝台車をイメージし、九州の自然の中で眠りにつくような体験を。「次はどのフロアに泊まろうか」と選ぶ楽しさが、リピートの動機になります。

3. 食堂車のようなレストランと、阿蘇の水源をイメージした大浴場

レストランは食堂車のように、旅の途中で食事を楽しむ空間に。大浴場は熊本城が見える立地を活かし、阿蘇の水源をイメージしたモザイクタイル壁が印象的な空間に仕上げました。熊本という土地ならではの眺望と九州の自然が、入浴の時間を特別なものにします。

4. 「旅の行程」がそのままホテルの体験になる全体設計

駅(エントランス)→ 切符売り場(フロント)→ 食堂車(レストラン)→ 車窓(エレベーターホール)→ 寝台車(客室)。ホテル内を移動するだけで、九州を電車で旅する一連の行程を体験できます。個々の空間のデザインだけでなく、空間同士のつながりが「物語」として機能する全体設計です。

結果・成果

泊まること自体が九州の旅になる、エンターテインメント型ホテル

差別化「九州九景の旅」という唯一無二のコンセプト
リピート動機森・土・水の3テーマで「次はどのフロアに」という選ぶ楽しさ
体験設計駅→切符売り場→食堂車→車窓→寝台車の一連の「旅の行程」
土地との結びつき熊本城が見える大浴場、阿蘇の水源をイメージしたモザイクタイル

熊本というホテル激戦区で、「泊まること自体が九州の旅になる」という体験価値で差別化を実現。大阪梅田の「華麗なるギャツビー」に続くHotel Wing International Selectシリーズのデザインとして、ドムスデザインが土地ごとに異なる物語を紡ぐ力を示したプロジェクトです。

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